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血糖は下げれば下げるほど良いのか

こんにちは。

院長の岡田奏二です。


今回は、血糖は下げれば下げるほど良いのか、というテーマでお話しします。

実は、血糖値を過度に下げすぎると死亡率が増加する、という研究報告があります。


英国の研究により、血糖の厳格なコントロールが腎障害や網膜障害などの細小血管障害を抑制することがわかっています。

しかし、心筋梗塞の抑制に有効であるかどうかは証明されていません。


そこで、より厳格な血糖コントロールによる心筋梗塞の抑制効果について、大規模な研究が行われました。

その結果は意外なもので、血糖を厳格にコントロールした人のほうが、そうでない人よりも死亡率が上がったのです。


なぜかというと、合併症が進行した人は自律神経障害があるため、無自覚性の低血糖が起こりやすく、突然死や死亡リスクが高くなったことが考えられます。

過度に血糖値を下げすぎると、低血糖を多発して死亡リスクが上がるため、適切な血糖コントロールが重要だといえるでしょう。


専門治療を外来で受けられる当クリニックは、患者さんに合った適切な治療を行うことで、低血糖を避けつつ良好な血糖コントロールができる治療を目指しています。

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